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ハサミが「縁起物」って知っていますか?

それは弟から子供の入学祝いにもらったハサミ。

37歳の私には3歳下に弟がいる。

保育士の母親の影響なのかはわからないが昔から子供が大好き。

私の二人の7歳と5歳の息子にもそれは変わらないようで、自分の甥っ子ともなればそれはもう溺愛とも呼べるものだ。

先日もなんてことない日に巨大なレゴブロックを買ってきて子供たちへの「過度な課金」を注意したばかり。

そんな弟が子供の入学祝いに縁起物だと言ってハサミを贈ってきた。最初もらったときは少し戸惑った。

「なぜハサミ?これがお祝い?縁起物?」

そんな私に弟はハサミを贈る意味を教えてくれた。一つは「悪い縁を切る」ということ。

もう一つは「未来を切り拓く」という意味があるそうだ。確かに小学校に入学した子供に贈るにはまさに縁起物。

昔の日本では刀剣を贈る習慣もあり、神聖なものとして扱われていたそう。まさに子供がハサミを手にして言った

「すごい!カッコいい!」

の一言は昔の刀から形を変え、ハサミとして今も残る凛とした刃物の魅力なのかもしれない。

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( 我先にプレゼントの箱を開けてハサミを手にする次男。)

ただのハサミじゃない。 これぞ金物の町、燕市の技術。

生まれてからずっと家で子供たちの髪の毛を切ってきたからこそわかる、驚きの切れ味と使いやすさ。

贈られたハサミは金物の町、燕市の「シゲル工業」のセルフカットセット。

子供たちの髪を切り始めた当初は髪の毛もあまりなかったため、家庭用のハサミでずっと散髪していました。

子供達も成長し、このハサミではさすがに切れないと実感。

ネットで安い散髪用のハサミを購入したのですが、

思ったほど切れ味が良いわけでもなくハサミのサイズも今まで使用していた家庭用のハサミと比べると大きく、思うように切ることができない。

子供の頭は小さく、切っている途中もフラフラするため子供も親も髪の毛を切ることが億劫に感じるようになっていた。

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( 左:ネットで買ったハサミ 右:シゲル工業のセルフカットセット )

見た目でおわかりいただけるようにシゲル工業のハサミの方が一回り小さい。

確かに最初にシゲル工業のハサミを見たときの感想は

「思ったより小さい。こんな小さなハサミで切れるのだろうか?」

と不安のほうが少し大きかった。

いただいた縁起物、実際に使ってみた。

昔から⼦供の髪は、近くの実家でよく切っている。

晴れた日は外で切るのだが、昔ながらの田舎で敷地も広く、切った髪もそこまで気にしなくていいからだ。

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( 昔弟とよく野球をしていた田んぼ潰して作った自宅横の空き地。)

実際、子供の髪の毛を切ってみると驚くほど手に馴染み、小さいと思っていたハサミですが細かいところの取り回しがとても良い。

特に耳回りなどは子供が動くためかなり神経を使っていましたが、ハサミの長さがさほど長くないため狙った箇所を切っていくことができた。

また、ハサミを閉じたり開いたりする動作も非常にスムーズで、いつもであれば子供二人分の髪の毛を切れば指が痛くなっていたのにそういったことが全くない。

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( ハサミが小さいので小回りがきき、本当に使いやすい。)

色々なハサミを使ってきたからわかるこの使用感。

実際、シゲル工業のハサミを使っての散髪は親だけでなく子供達も

「いつもより早く切り終わってよかった!」「今日はハサミが髪の毛に引っかからずに痛くなかった!」「また切って欲しい!」と大好評。

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( 今までで一番綺麗と妻に褒められました。これはハサミのおかげ 笑 )

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( いつもより早く終わった子供たちは弟と鬼ごっこ )

さすがは金物の町、燕市。切れ味と使いやすい使用感。地元民として誇れるものと改めて実感した。

また、メンテナンス用のセーム革も入っており家庭でのメンテンナンスも可能。

切れ味が落ちてくれば製造元のシゲル工業で研ぎ直しもできるという事。

長く使い続けられるものには必ず造り手の顔が見えて、長く使える理由がある事に気付かされた。

ハサミを「贈る」ということ。

最初は疑問に思った弟が縁起物だと言って贈ってくれたこのハサミ。

よく考えれば新しいものが完成したお祝いや、門出を祝福するような場面でのテープカットもハサミを使っている。まさに縁起物。

「結婚祝い」「出産祝い」「新築祝い」などの、古くから続いている日本人の人を想い、祝い、贈るという文化。

それにこの歴史ある刃物の「ハサミを贈る」ということはとても良いものだ。

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( 笑顔で見守る母親。「私も夫の髪を切ってみようかしら」と一言。)

これからも可能な限り子供の髪の毛は切っていきたい。かけがえない今の切る時間を楽しみたい。

そんな気持ちにさせてくれる良い物との出会いだった。今度は両親に私からハサミを贈ろうと思う。